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基本理念
平成28年熊本地震は、観測史上初となる最大震度7の激震が短期間に2度発生し、4千回以上の余震があるなど、これまでに経験したことのない未曾有の大災害となりました。
あの大災害から今年で10年となります。この10年の間にも、全国では多くの災害が発生し、新型コロナウイルス感染症の流行もあり、我々消防や関係機関は、その度懸命に災害に立ち向かい、力の無さを痛感し、全国の仲間に助けられ、教訓を活かし、再び立ち上がってきました。
今日の救急医療を取り巻く環境に目を向けると、超高齢社会を迎え、新型コロナウイルス感染症の流行後から続く救急需要対策、医師の働き方改革、社会情勢の大きな変化への対応等、様々な課題が山積しています。また、近年では救急業務へのICT技術の活用、救急救命士の処置拡大に伴う救急体制の強化など、救急行政に求められる国民からのニーズにも変化が見受けられます。
今後もどこかで発生することが予想される大災害や、大きく変化していく時代に対応するため、今、我々救急隊員に求められているのは、国民の安心安全の要でありライフラインとも言える救急業務において、自覚と誇りを持った地域医療の重要な担い手となるべく、再び過去の教訓から学び、未来に向かって新たな一歩を踏み出すことだと思います。
17年前に熊本で開催された、第17回全国救急隊員シンポジウムでは、「救急隊員の未来像」をテーマに、2日間にわたる討議を経て、次のとおり「提言」としてとりまとめられ、全国に向けて発信されました。
『救急隊員は、「Professional Autonomy」即ち、専門家としての自律性を高め、プレホスピタルにおける責任ある地位を確立することで、地域における救急医療の重要な担い手とならなければならない。』
今回メインテーマに掲げる「REVIVAL-リバイバル-」には、復活、復興、再興、蘇生等の意味があります。
今回のシンポジウムでは、大災害からの教訓や復興への道のりを示すとともに、17年前の提言について再び興し、改めて我々救急隊員が、プレホスピタルにおける責任ある地位を確立し、地域医療の重要な担い手となるべく、過去、現在、そして未来について、力強く復興への歩みを進めるここ熊本の地で、懐かしい仲間や新しい仲間と大いに議論し、「熊本が震災からの復興を続ける姿」と「救急隊員の新たな未来像」を全国に向けて発信します。